ぴあ映画生活特別企画
初日舞台挨拶★舞台裏レポート

映画『おのぼり物語』の東京公開初日。
「ぴあ映画生活」ユーザーから抽選で選ばれた4名の方が主演の井上芳雄さんに直撃インタビューしました!

完成した映画を観て「撮影中に想像していたのと違ったな」と思ったシーンは?
井上:哀川翔さん演じる管理人の息子と、いろいろ話し合った後に下宿の外で出会うシーンがあったんですけど、あれは"話す前に"会うシーンとして撮影したんです。でも、完成した映画では"話した後"のシーンになったので、僕は会った後なのにヤケによそよそしい人になっていて(笑)。舞台ではそういう(シーンが入れ替わるような)ことがないので意外でした。

舞台では、全てのセリフや動きを頭にしみこませてから本番に臨むと思うのですが、映画ではどの程度、セリフや動きを覚えてから撮影に臨まれたのですか?
井上:基本的には覚えないです。その日どのシーンを撮るかは教えてもらうんですが、できるだけセリフや動きを覚えないようにはしてましたね。あんまり覚えてしまうと、ハッキリ喋ってしまって"舞台役者っぽさ"が出てしまうので「このセリフの時の動きはこうだったかな?」ぐらいの方が、(映像作品に出る際には)ちょうどいいみたいです。

舞台と違って映画では撮り直しが可能ですよね。井上さんから監督に「もう一度お願いします」とお願いしたシーンはありましたか?
井上:ないですね。監督がOKといったものは、OKなんだろうと思えましたし、自分から撮り直しをお願いすることはなかったと思います。役者がそれを言い出したらキリがないと思うんですよね。

井上さんも福岡から出ていらしていて、(主人公と同じように)カルチャーショックを受けたことはありますか?
井上:東京へ通ってはいたので、出てきた瞬間に『うわぁ』ということはなかったですけど、誰も自分を知らず、自分も誰も知らないということがさびしいというかツラいと思ったことはありました。"僕が何をしようと誰も関心を持たない"という状況がとてもツラかったし「本当にここで知り合いが増えていく日が来るのかな?」と途方もない気持ちになったことはありましたね。

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部屋やライブで踊るシーンがあったんですが、あの振り付けはご自分で考えたのですか?
井上:大まかな動きは監督に指示されたと思うんですけど、たぶん自分で勝手にやってる部分もあったと思います。だから「漫画家のわりには妙に動きがいいな」みたいになってたかも(笑)

漫画家は舞台とは真逆でひとりでモノを作る仕事ですよね。漫画家役を演じてみて感じたことは?
井上:漫画家のようにひとりでこもらなきゃいけない仕事というのは、自由度が高い代わりに孤独なのだと演じる前は思っていたんですが、演じてみて漫画家は描くのはひとりだけれど、編集者という存在がいて、その人がマネージャーであり、演出家であり、お客さんであり…全ての役割を担ってくれてるみたいなんです。そういう意味では、本当にひとりでやっているというより、編集者の人と二人三脚でやってる感じが強い。そこは僕も意外でした。後、ゼロから生み出さなきゃいけないというのは、僕たち役者とは違う意味でたいへんだろうな、と思いますね。

主人公は漫画家の卵ですが、デビュー前のご自身と重なりますか?
井上:「いつか誰かに観てもらえると夢見て…」というのは、似てますね。夢がかなう人はもしかしたら一部かもしれないですが、夢を持つことや、それに向かって頑張ることっていうのは、ほとんどの人が経験することだと思うので、そこが皆さんに共感してもらえる映画なんじゃないかと思います。

今後もし映像のお仕事するとしたら「こんな役がやってみたい」という役はありますか?
井上:いただいた役をやらせていただくのが幸せなんですけど、映像は舞台ではやらないような役をやらせていただけるイメージがあるので、そういう意味では舞台とは全く違う、たとえば…殺人犯とかそういう役もできるのかな、と。
観てくださる方も舞台での僕のイメージを持たずに観る方が多いので、ぜんぜん違う役もやりやすいのかな、と思います。

井上さんにとって"観客"はどのような存在ですか?
井上:僕は最初からお客様の前で演じることからスタートしているので、目の前に観客がいる状況は当然なんですね。お客様に合わせて全部変えるわけではないんですが、お客様の反応を見て自然と演技が変わってきたり「これはいいんだ/ダメなんだ」とわかることが多い。普段は反応があるのが当たり前なので、それを感じてまた演じる、というのがサイクルなので、映像は逆に難しいところもあります。映画に関しては、お客様の声は知りたいですけど、もうやり直しはできないので楽しんでもらえれば、と思っています。

終始、さわやかな笑顔で丁寧に答えてくださった井上さん。誠実な人柄と、高いプロ意識が伝わってくるひと時でした。 映画『おのぼり物語』絶賛上映中です!
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