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このギャップは俺たちに限ったことじゃなくて、お笑いの人はみんなそうらしい。たとえば『ひょうきん族』の頃も、みんなでお化けの格好をして、くだらないことをやってる合間の待ち時間に真剣な顔で人生相談をしていたそうだ。ふと我に返って「お化けの格好で人生を語る俺たちってなんなんだ?」というギャップ。しかもコンビという、ふたりだけの関係性となると、ギャップも好き嫌いも越えたところに仕事がある。逆に言えば、「こいつは大嫌い。絶対合わない」というヤツとはコンビなど組めるわけがない。

今から10年ぐらい前のこと。爆笑問題が初めて談志師匠に会った時のことだ。師匠は「いいか。田中を絶対に切るなよ」と俺に言ってくれた。おそらく、ツービートをみていて思うところがあったのだと思う。ツービートも解散したわけじゃないんだけど、たけしさんがひとりでブレイクしていった過程と当時の俺が師匠にはダブって見えたのかもしれない。もしかしたら、「ネタを作り続けろよ」というメッセージが含まれていたのかもしれない。その後、俺たちはネタを作り続けていて、その準備段階ほどモメるけど、解散の二文字が頭によぎったことはない。 ただ、談志師匠が言ってくれた言葉でひとつだけ「それはどうでしょう?」と思ったことはあった。師匠は「田中は日本の常識だ」とも言ってくれたんだけど、あれほど非常識なヤツはいやしないから(苦笑)。

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文:唐澤和也
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