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■第12回
「ヒットのはなし」

「ピシッ!」も「ピップ」も流行らない。
俺にはヒットのセンスがない

全部とは言わないけど、俺はヒットしたものに対して「そこまでのものか?」と感じることが多い。

最近じゃ、断トツで『アバター』がヒットした理由がわからなかった。3Dが話題になったけど、あんなの3時間もその世界にいたら慣れちゃうから。なにより、この映画はストーリーが最高にツマんなかった。設定は西暦2154年。要はアメリカ人が好む「自分たちを反省する」映画なんだけど、物語の描き方が完全に上から目線なわけ。ある惑星に先住民族的な知的生命体がいるんだけど、ところどころで「野蛮な生き物」として扱っていることに悪意を感じた。しかも、宮崎駿の影響も受けていて、侵略するアメリカ軍、まぁ劇中ではアメリカ軍とは言ってないけど、ふつうに見りゃアメリカ軍だから。で、そのアメリカ軍が森林を破壊するという、言ってみりゃ「文明対自然」という使い古された構図が描かれていて。あげくの果てに、森の木たちが怒り出した日には「なにこれ?」と(苦笑)。たしかに、今までのアメリカはバカなことを散々してきたと思うけど、現在でもエコだなんだって環境について考え始めているのに、未来の設定でその展開はありえねぇだろって。俺には、「この映画、アメリカ人が見ても怒るんじゃねぇか?」としか思えなかった。

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文:唐澤和也
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