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自分なりに分析してみると、『日本原論』はタイミングが良かったんだろうなぁと思う。ボキャブラだなんだつって、爆笑問題の名前をようやく世間に知ってもらいつつある時期の発売だったから。ただ、それ以外の「ヒットの理由」は、まったくわかんない。だって、それ以後も『日本原論』シリーズは書き続けているけど、あそこまでのヒットはいまだに経験できていないから(苦笑)。

『憲法九条を世界遺産に』はヒットじゃないのかって? いや、あれはヒットだとは思う。あの本が出版にこぎつけたキッカケは、俺が雑誌のインタビューで政治的な話になり、「いっそのこと憲法九条を世界遺産にすりゃいい」みたいなことを言ったのね。その記事をたまたま読んでくれていた中沢新一さんがメールをくれて、「そのテーマで1冊の本にしましょう」と誘ってくれて。その時も、おもしろそうだからぜひやりたいとは思ったけど、ヒットするとはまったく予想していなかった。その部分だろうね、俺が感じるヒットにまつわるもどかしさのようなもんは。『日本原論』にしても、文章で漫才を書くことに抵抗があった俺を「電車のなかで疲れてるサラリーマンが笑うものを」と担当編集のHさんが押し切ってくれたからこそカタチになったわけで。言ってみりゃ、自分で「これは売れるぞ」と思って実際にヒットしたものが今までにないから、へたすりゃ「俺になにが欠けてんのか誰でもいいから教えてくれ!」と思ったりもするし。

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文:唐澤和也
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