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最近、映画『アリス・イン・ワンダーランド』が話題になってるけど、俺は、ジョニー・デップ演じる「帽子屋」のような時間を過ごしていたことがある。ルイス・キャロルの原作のなかで「帽子屋」は女王様によって永遠にお茶の時間を過ごすようにされてしまう。およそ有意義とは思えない全部が無駄な時間。俺にとっての“ティーパーティー"な時間は、大学生の頃がそうだった。ま、授業をさぼって行きつけの喫茶店に毎日入りびたっていたから、文字通り「お茶会」でもあったんだけど(苦笑)。

世は小劇場ブーム。当時、うちの大学の先輩である三谷幸喜さんが劇団・東京サンシャインボーイズでマスコミから注目され始めてて、ほかにも有名になりつつある劇団がけっこうあって。同級生たちは、それらの有名になりつつある劇団にこぞって入っていったんだけど、俺はどこかで醒めている部分があった。三谷さんを始めとする、劇団を旗揚げした人たちはともかく、同級生たちの行動が人気劇団だからって理由で流されただけのものに思えてならなかったわけ。だから、よせばいいのに、そいつらの芝居を観に行っては「つまんなかった」と、わざわざ楽屋に行って嫌がらせしてたっていう(苦笑)。でもさ、彼らにも言い分があるじゃない? 「じゃあ、お前はなにやってんだよ?」と言い返されて、俺は「なんにもしてないけどお前らよりはマシだ!」と開き直って帰ってきてたけど、内心じゃ「たしかにその通りだよな」とも感じていた。

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文:唐澤和也
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