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高校時代、クラスメイトの誰とも口をきかなかった俺は、休み時間の5分間が本当に長く感じられて苦痛だった。言ってみりゃ、一瞬なようで永遠の5分間。だけど、その終わりを想像することもできた。高校生活は3年間。永遠にこの苦しい時間が続くわけじゃない、この3年間が絶対的なものじゃないと。

つまり、時間が相対的であるなら、視点をどこに置くかの想像力がすごく重要になるってこと。たとえば、俺と田中が大喧嘩したとする。その時点では1週間で仲直りできるのか、1ヵ月かかるのか、最悪 の場合は解散となるのかはわからない。こういう時、ふつうの視点の置き方なら、ちょっと先の未来を想像するものだと思う。たとえば「明日、田中と会った時、どんな顔すりゃいいんだよ」と想像して絶望的な気分になってしまう。でも、その視点をできるだけ先延ばしにしていって「明日はそうかもしれないけど、その次の日はお互い冷静になれてるかもしれない。ってことは3日後にはもっと冷静になれてるかもしれない」って、実際にそうなるかは別にしても、想像することはできるわけだよね。

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文:唐澤和也
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