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■第15回
「スターのはなし」

余談だが、木村拓哉と俺は
「たっくん」「ピーちゃん」と
呼びあう間柄だ

俺が思う「スターの条件」は、つまるところ許されるかどうかだ

たとえば、ジェームス・ディーン。1955年、満24歳の年に、この世を去った彼は出演映画が3作しかない。にもかかわらず、マリリン・モンローと共に、ある時期のアメリカを象徴するスターだった。

ジェームス・ディーンの演技って、言ってみりゃ、かなり変な芝居なわけ。ふつうに台詞をしゃべればいい場面でも、なぜかちょっと目が泳いでたり、動きがやけにゆっくりだったりする。名優マーロン・ブランドを真似してはいるんだけど、なんて言うか、猫みたいな動きなのね。たとえば、遺作となった『ジャイアンツ』では、ある場面でオープンカーの後部座席にひとりで座っていると。で、まず、運転席のほうに向かって右足を伸ばす。続けて、左足を上げて右足の上にクロスさせる。でも、その上げた左足をおろす所作が「なんでそんなにゆっくりなんだよ!」とツッコミたくなるほどスローなわけ。ふつうの役者がそんなことをしたら「もっと速く動け!」と監督から怒られるはず。でも、ジェームス・ディーンだから許される。

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文:唐澤和也
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