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■第18回
「言葉のはなし」

一生考え続けるもの。
それが、俺にとっての
言葉という存在だ

俺は人の名前や、あまりにもふつうの言葉が出てこないことがある。昔、番組かなにかで喋ってた時に「土」という単語が出なくて田中に「あれだよあれ?」って言ったんだけど、まさか田中も「土」が出てこないとは思わないで困ったっていう。そういうのは、最近はもっと悪化していて、しょっちゅうある。最近、どんな言葉を思い出せなかったのかを思い出せないぐらいよくある(笑)。

でも、そういうのは俺、全然気にしていない。伝えたいのはその先だから。たとえば、吉田という男の名前を忘れて田中と会話していたとして「なんだっけ、あいつ? この間結婚して子供がうまれたヤツ」「吉田?」「そう。その吉田が××してさ」の「××してさ」のほうが伝えたいところだから。

要は、言葉を通して「伝える」「伝わるかどうか」が一番重要ってこと。

「言葉って、どうすりゃもっと伝わるんだろ?」

そんなことを考えていることが、俺にとっては一番長い時間なのかもしれない。

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文:唐澤和也
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