1/2/3/4/5/6/7

俺がこの考えにいきついたのは、非テレビの世界に片足を突っ込んでいた時期があるからだと思う。テレビに出られないことを逆手にとって「とてもテレビじゃできません」という過激な政治ネタや時事ネタをライブでやる。喜ぶ男の客がいる。すると不思議なことに「テレビなんかに日和るんじゃねぇよ」みたいな、内輪ムードができてくるのね。爆笑問題は、漫才ブームや『オレたちひょうきん族』を見て「テレビっていいなぁ」と思ってこの世界に入ったはずなのに、「テレビじゃ見られない過激な社会派の漫才コンビだ」なんて狭い世界で評価されると、その期待にこたえようとさらに過激になっていったわけ。つまり、どんどん閉じていってしまった。そんな閉じた世界でマニアな男の客を笑わすのなんて実は簡単で、要は、過激なことを言えば笑うっていうね。

幸い、俺たちは片足を突っ込んだだけで帰ってこれたけど、当時、散々耳にした「テレビに日和ってる」とか「大衆迎合的だ」とかの言葉って、俺に言わせりゃ全部言い訳だと思う。だって、自分たちがせっかく作ったネタなんだから、できるだけ多くの人に見せたいに決まってるだろって。

1/2/3/4/5/6/7
文:唐澤和也
太田光しごとのはなしトップへ

ぴあ映画生活トップへ
(c)ぴあ株式会社