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今年で生誕250周年を迎える葛飾北斎も単純にすごいと思う。波しぶきの瞬間を止めちゃったり、雨を線で現したりという、記号化するという発明。北斎の代表作のひとつに「北斎漫画」があるけど、この人がいて、のちに手塚治虫が現れたからこそ、日本の漫画文化は栄えたんだと思う。おそらく、北斎を支持したのも大衆で、しかも、フランスのピカソやロートレックにまで影響を与えたっていうね。つまり、普遍性があるということ。

ただ、俺がどうも引っかかるのは「これぞアートでございます」的な、このジャンルを必要以上に持ち上げる風潮だ。なんでもいいんだけど、浄瑠璃だ、歌舞伎だっていっても、もともとは大衆芸能だったはずでしょ? ところがある時点から、お茶の間から引いてしまう感覚が好きじゃない。言ってみりゃ、使えなくなっちゃう感じ。大陶芸家が作った茶碗が何百万円ですとかなると、ふつうに考えたら使えるわけがない。でも、もともとの目的はお茶を飲む器だろって。極論するなら、だったら、紙コップの発明のほうが使えるし、アートじゃんって俺は思う。

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文:唐澤和也
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