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ちょうど今日もそんな話をしてきたんだけど、闘病中(当時)の桑田さんの代打として『桑田圭祐のやさしい夜遊び』というラジオのパーソナリティを斎藤誠さんが担当して俺がゲスト出演してきて。斎藤さんは、学生時代から桑田さんと仲が良かったんだけど、「なにこのバンド?」っていう誰も知らないアーティストの曲を「めちゃめちゃいいから!」とすすめられたと。でも、斎藤さんにはその曲の良さがわからない。ところが、桑田さんがその曲を歌った瞬間「なんていい曲なんだ!」って感動しちゃったんだって。つまり、桑田圭祐が偉大なのは、リスナーとしてマニアックな音楽を否定しているわけではなくて、むしろ、誰よりも早く深く受け入れている。だからこそ自分の感動が乗っかるから、桑田圭祐のその曲に斎藤さんは「名曲だ!」と感じたんだろうなと俺は思ったのね。

そんな桑田さんが作った『いとしのエリー』をレイ・チャールズがカバーしているのも興味深い。レイ・チャールズはR&Bシンガーと言われることが多いんだけど、実はマニアックな音楽への造詣も深くて、当時は決して王道でなくなっていたカントリーを『ジョージア・オン・マイ・マインド』という曲で大ヒットさせている。それまで俺はカントリーなんてなんの興味もなかったけど、レイ・チャールズを通して「カントリーも悪くないなぁ」と思ったものだ。

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文:唐澤和也
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