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たとえば、日本のプロ野球選手が世界最高峰と評されるアメリカに渡ってメジャーリーグで勝負したいと願う気持ちは理解できる。でも、こと笑いに関しては、アメリカ進出なんて意識したこともないし、日本で多くの人に共感されることを目指すほうが、俺のなかでは「ど真ん中」だ。もちろん、漫才ひとつを例にとっても言葉の壁という問題があるんだけど、笑いに関しては日本のほうが上なんだから、こっちからアメリカに出向く必要性を感じない。むしろ「お前らが日本語を勉強して日本に来い!」っていうね(笑)。

こういう発言を平気でするから、俺は「反米だ!」などと言われることもある。たしかに、バブルの頃にアメリカ人が「日本人は、みんながエコノミックアニマルで個性がない」などと論じていた頃には「そうやって大雑把にしかくくれないお前らには判別できないほど日本人の個性は繊細なの!」「で、繊細にわけていくと、むしろ日本人はアメリカよりも個性的だから!」などと感じていたし、今でもアメリカの悪口を言おうと思えばいくらでも批判できる。ただ、誤解されているなぁと感じるのは、俺はアメリカン・フットボールとアメリカのエンタテインメントが大好きだから。カート・ヴォネガットなどのアメリカの文学。ウッディ・アレンなどのアメリカの映画。それらが大好きな俺は「アメリカ=一切受けつけない」というタイプでは決してない。「俺たちがナンバー1」と言い切って、無邪気に楽しむ彼らの姿は絵になるなぁと憧れたりもする。

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文:唐澤和也
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