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日本人の場合、自分の国を厚顔無恥に賞賛することに慣れていなくて、必ず自分たちでツッコんでしまうでしょ? いわゆる、恥の文化。まぁ、恥を知っているからこそ繊細な表現ができるのだろうし、言ってみりゃ日米の国民性の違いだと思う。アメリカの場合、「俺たちがナンバー1」と無邪気に楽しんでいるうちはいいけど、それがいきすぎると暴力的な横顔が現れたりもする。つまり、「反米」とかいう単純なくくりではなく、日本人の視点からみれば、アメリカに対していい面と悪い面を感じるのは、むしろ当然だ

ただね、俺には、最近のアメリカがかわいそうに思ることがある。日本との関わりで言えば沖縄の基地問題など「俺たちがナンバー1」だと無邪気に言い切れないのだろう。たとえるなら、ガキ大将の挫折。日本人は、恥を知る国民性もあるし、あの敗戦も経験しているから挫折に対して免疫力がある。ところが、挫折に慣れていないガキ大将みたいなアメリカという国は、ベトナム戦争以後、徐々に自信を失い、そのショックに耐え切れなくなりつつあるように感じる。そのムードは、エンタテインメントにも反映されていて、最近見た『キック・アス』という映画では、ある種のヒーローものにもかかわらず「俺たちがナンバー1」という無邪気さは影を潜めていた。主人公はヒーローオタクの高校生。彼は生まれつきの強者ではなく、試練を経てヒーローとなるんだけど、完全に日本のアニメや漫画に影響を受けている作風だった

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文:唐澤和也
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