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だから、もしも俺が映画を撮ったとしても黒澤さんのように世界を意識などしないだろう。……なんて言い切れればカッコいいんだろうけど、俺の場合は世界を意識しないもうひとつの理由があって、むしろ、こっちの理由のほうが大きい。それは、俺にはそのセンスが全然ないということ(苦笑)

映画じゃなく、漫才で考えてみても「女子高生にウケるネタって簡単に言うけど、それってどんな漫才なの?」って思ったりもしてきたから。小説も然り。『マボロシの鳥』を売れたと言ってくれる人もいるけど、じゃあ、書籍のエンタメランキングをみると、必ず“もしドラ"が上位にいた。で、その作者は、秋元康の弟子らしいと。秋元さんと言えば、おニャン子クラブからAKB 48まで「これを売るぞ!」と狙って当てたヒットの達人。つまり、俺にはないセンスを持っている人なわけだけど、「俺はその弟子にも負けちゃうのかよ」っていうね(苦笑)。これって、自虐などではなく本音の言葉なんだけど、いわゆる恥の文化のひとつなのでしょうか。

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「ぴあ」2011.3.3号より
文:唐澤和也
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