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ただ、実は「発想」における「着想」は二番目にくるものであって、俺のなかで一番上にくるのはもうひとつのものだったりする。

今年は太宰治生誕100周年でもあった。こちらも『人間失格ではない太宰治─爆笑問題太田光の11オシ─』という書籍で解説を書かせてもらったので、久しぶりに読み返した。偶然にも、向田邦子と太宰治を同時期に読み返すことができたわけ。ちなみにふたりの著作を初めて読んだのも同時期で、それは学生時代のこと。

で、太宰治。もうね、青いなぁと思った。これはいい悪いではなく、太宰治作品の特徴でもあって、要は、全部がひとりよがりなわけ。辛いだのなんだの全部が自分。もちろん、太宰も天才だけど、向田作品と読み比べた時に「なんて向田邦子はカッコイイんだろう!」というのが、正直な俺の感想だった。

じゃあ、天才の対義語はなんだって聞かれて、今の気分で答えるなら「凡才」が一番イメージに近い気がする。ここまでの見方から言うと、天才か凡才かはあえて言わないにしても、村上春樹は俺、どうも好きになれないんだよね。アーヴィングフィッツジェラルドに憧れがあることはわかるんだけど、英語の直訳みたいな言い回しには、「こんな喋り方日本人がするかよ!」って思うし、読んでて「おもしろくない!」って思っちゃう。主人公だけがデリケートで、まわりのみんなが嫌なヤツという設定が多すぎるし。まあ、ほとんどすべての作品は読んでるけどね。

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文:唐澤和也
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