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で、一歩足を踏み出すと思い知らされるわけ。俺の場合、たとえば思春期の頃に観たチャップリンの短編映画に打ちのめされた。「この短編映画をチャップリンは20歳で撮っているのか」と自分の年齢と比べて落ち込んでいた。作品のすごみに感動はするから、観たいんだけど観ると落ち込むっていうね。でも、自分の年齢が20歳を超えた頃から「チャップリンには間に合わないんだ」とわかって、そっからは楽になれた。自分がそこまでの人間じゃないというのがわかってきたから。

ただ、天才まではいかなくても自分の才能という部分で言うなら、言葉の選び方は意識していると思う。たとえば、文章を書く時に、ああでもないこうでもないってこだわる根気はあるから。納得できなきゃ、何日でも徹夜するし。なんでそこまでこだわるかは、そうせずにはいられないとしか言えない。美意識あるいは執着心。自分を少しでもよくみせたいだとか、どうすれば読者全員に伝わるかだとか、いつも、毎日考えているから。

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文:唐澤和也
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