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で、漫才のはなしね。今でも漫才を作るのは本当に憂鬱。まず、学校の宿題と一緒で締め切りがあるのが憂鬱で。次にアイディア出しするのも憂鬱だし、それが決まってから田中がどう振って俺がどうボケるって細かく決めていく作業も面倒だし、次にやらなきゃいけない練習もまた細かい作業なわけ。正直、本当に面倒くさい。しかも、ライブ当日には「ウケたハズした」っていう観客の反応に対する心配もあるから、それがまた憂鬱で。俺にとっての漫才には、何段階もの憂鬱がある

でも、最近は、当日の不安が昔よりは減ってきた。それこそ《GAHAHA》の頃は「今日の収録でハズしたら死ぬ」ぐらいの感じで漫才をやっていたから。ところが今は、漫才を定期的にやり続けた観客側の評価みたいなものを感じている。たとえ、ハズしたとしても「今日の爆笑問題は、ちょっと調子が悪かっただけ」という空気を感じられるようになっていて、それが少しだけ不安な気持ちを溶かしてくれる。最後の憂鬱がやわらいだ分、漫才作り全体の憂鬱感も少なくなってきた。そういう意味で言えば、M-1に出てる若手たちは大変だなと思う。4629組の中から勝ち上がっても、番組の空気感として「おもしろくない」という烙印を押されてしまったら、それを払拭するのは並大抵のことじゃない。その“憂鬱”さといったら、半端じゃないだろうね。反面、ネタがハマった時の快感もものすごいんだろうなとも思う。

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文:唐澤和也
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