1/2/3/4/5/6/7

「将来の夢」とかの夢なら、子どもの頃は「大工」だった。その後、小学校高学年でチャップリンの短編映画にハマってからは、「チャップリンのようになりたい」というのが夢になる。「プロ野球選手になる」といったわかりやすい夢ではなかったら、当時の作文には、「将来の夢=探偵」とか、適当なことを書いていた。

チャップリンの魅力は、ずっこけたりする滑稽さにあった。サーカスのピエロ的なおもしろさは、子どもにしてみればわかりやすいもの。ところが中学生になって、チャップリンの自伝や長編映画を見るにつれ、彼の作品が滑稽なだけでなく「意味」が込められていることを知る

小学生の俺は萩本欽一さんも大好きだったんだけど、中2の正月にオールナイトニッポンを聞いて以来、ビートたけしさんに夢中になっていく。萩本さんは24時間テレビをやり始めたりしていたから、たけしさんは「あんなのは偽善だ」とか毒舌を吐いていたりした。今になってみれば萩本欽一さんがやってきたことは 決して偽善だけではないと思うんだけど、思春期の頃なんて尖ったものに魅かれたりするじゃない? で、俺は萩本さんを小学生の頃よりは好きではなくなり、たけしさんに傾倒していくんだけど、チャップリンへの熱は冷めることがなかった。なぜなら、彼の作品に込められた「意味」が時に残酷だったからだ

1/2/3/4/5/6/7
文:唐澤和也
太田光しごとのはなしトップへ

ぴあ映画生活トップへ
(c)ぴあ株式会社