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■第7回
「不景気のはなし」

経済や金融は
『マイ・フェア・レディ』型の行為を
できる人の方が得意

爆笑問題がデビューした頃は、バブル崩壊直後だった。とはいえ、テレビ業界は、まだバブルが続いているような感じで、今じゃ考えられないような高額の制作費をかけていた。「何億かかってんだよ!」ってセットもあったし、番組が提供するプレゼントもやけに豪華だったし。

ところが、当時の俺らは仕事がまったくなかったから、業界のバブル期にいい思いをした経験がない。たまに営業が入って、当時流行っていたマハラジャというディスコにクリスマスパーティーの司会で呼ばれたりしたんだけど、同じ歳ぐらいの連中が、はぶりよさそうに着飾ってるなか、俺らは安いギャラでビンゴの進行をしてたっていうね(苦笑)。

つまり、景気がいいから儲かっていたという経験がないから、「不景気だ」と嘆く今の世の風潮に、まるっきり共感できてるわけじゃない。サラリーマンの人が「この不景気で失業したらどうしよう?」と不安になる気持ちは想像できるけど、俺たち芸人は常に失業者みたいなもんだから。芸人は就職して正社員になるわけじゃない。景気が良かろうが悪かろうが、飽きられたら仕事を失う。保証もないから、そうなった時点で言ってみりゃ失業状態だからね。

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文:唐澤和也
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