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もちろん、専門家ならば、結果から原因を探ることはできるだろう。たとえば、バブル景気の発生原因。諸説あると思うけど、俺が理解しているひとつの見方で言えば、まず、前提として当時の日米関係があった。いわゆる日米貿易摩擦ね。バブル期前夜、日本は輸出で稼いでいた。そんな時、アメリカでジャパンバッシングが起こる。いわく「日本車を買うと自分たちが勤めている自動車工場がつぶれちまう!」と。

そんな時期に交わされたのが、1985年のプラザ合意。アメリカの貿易赤字を解消するために円高ドル安にしようって言われて日本がのんだ。当然、円高にすれば輸出が減る。アメリカはひと安心。じゃあ日本はどうするとなって「内需にお金を使いましょう」と政府が推進するわけ。その流れで地価が急騰する。それまでは禁止されていた土地を担保にしてお金を借りることが許されたもんだから、巻き起こったのは投機ブーム。土地を担保にして別の土地を買い、地価の上昇による利ざやで儲けるっていうね。地価も上昇を続けた。それが、バブルだった。

…って分析は、今聞くと「なるほど」と思うけど、当時は「バブル景気がはじける」と予測した専門家は誰ひとりいなかったから。むしろ、地価は絶対に下がらないという「土地神話」がもてはやされて、日銀という金融のプロの集まりを含めて、みんながそれを信じていた。

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文:唐澤和也
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