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『マイ・フェア・レディ』がある。同名の舞台を映画化した作品で、オードリー・ヘプバーンが主演した名作なんだけど、よくよく考えるとひどい話だったりもする。言語学の教授と友達が、田舎娘のオードリーを淑女に変えられるかどうかを賭けるって話で、最終的には恋愛が成就してハッピーエンドなんだけど、俺はほんの少しだけど違和感を感じるわけ。要は、人をモノ扱いして賭けの対象にしてしまうところが、どうしても引っかかってしまうから。一方で、日本で女性の立身出世ものと言えば『おしん』なわけでしょ? おしんは、基本的に自分の力で未来を切り開くストーリー。いい悪いじゃなく、アメリカと日本って、やっぱり違うキャラクターなんじゃないかなぁと思う。

で、経済や金融っていうのは、『マイ・フェア・レディ』型の行為をすんなりできる人のほうが得意なもの。でも、俺と同じように『マイ・フェア・レディ』に今の日本人の多くが、かすかにでも違和感を抱くなら、アメリカの市場に全部を引っぱられるのではなく日本独自の経済のやり方を模索するほうが、意味のあることではないかってね。

俺が思う「不景気のはなし」は、読者に伝わったのだろうか? ま、経済の専門家が言ってることを話半分で聞いておいたほうがいいのと同様に、芸人が言ってることも話半分で聞いてもらえりゃ幸いです

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「ぴあ」2.18号より
文:唐澤和也
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