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■第9回
「坂本竜馬のはなし」

昔、ゲームのシナリオを
書いたことがある。
タイトルは『竜馬でゆく』(笑)

坂本竜馬は、もちろん好きだ。といっても、俺は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』しか読んだことがないから、司馬さんの描く坂本竜馬が好きなだけなのかもしれない。よくさ、歴史上の人物を描いた著作物に対して、専門家が「史実と異なる」なんて指摘することがあるけど、俺にはどうでもいい話。だって、たとえば今、小沢一郎の実像に迫ろうとする書き手やマスコミがいたとしても、誰も真実なんて書けるわけがないから。例の政治とカネの問題で、いろんな憶測記事が飛び交ってるけど、なにが真実かなんて結局はわからないでしょ? ましてや、今から150年ぐらい前に歴史を駆け抜けた人物の真実なんて、描けるわけがない。だから、俺にとっては司馬さんの竜馬がすべてであり、坂本龍馬じゃなくて坂本竜馬だったりもする。

ただ、司馬遼太郎さんは、相当調べて書いているから真実にかなり近づいてはいると思う。俺が好きな司馬さんの都市伝説があって、何年かに一度、神保町の古本屋にトラックが横付けされるんだって。それを見た関係者が「そろそろ司馬遼太郎が新作を書くんだな」と噂しあったっていうね。トラック一台分もの大量の資料を読み込んでから、司馬遼太郎は歴史上の人物を書き綴ったと。このエピソードの真偽も確かめたわけじゃないけど、俺は大好きな話だから、もうね「真実」でいいの。

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文:唐澤和也
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